ヘッジファンドの捉え方は、かつては、SECなどの監督官庁の規制を受けずに運用される私募のファンドのことを言い、これに対して、規制を受けて運用される公募のファンドのことを投資信託、またはミューチュアルファンドと言いました。
しかし、近年、アメリカでは、15人以上の顧客を有するヘッジファンドはSEC登録をしなければならなくなりました。 実際には、多くのヘッジファンド運用会社が、法律施行の前からSEC(米国)やFSA(英国)といった公的機関に登録がされ、世界中の投資家から資金が集まっていましたので、この分類は正確とはいえません。
私どもでは、「絶対収益を追求するファンド」をヘッジファンド、「相対収益を追求するファンド」を一般の投資信託、またはミューチュアルファンドと捉えております。
絶対収益の追求とは、株式や債券などの相場変動とは関係なく利益を追求することです。
ヘッジファンドは、絶対収益を追求するため、株価や債券価格が下落した際にも収益の獲得を目指します。
これに対して、相対収益の追求とは、株価や債券価格の平均を上回る収益を追求することです。
一般の投資信託は、相対収益を追求するため、損失を計上しても、ファンドの下落率より市場全体の下落率が下回っていれば、よい評価が得られます。
これは、国内の投資家保護を目的に適用される公募の投資信託に対する規制にもよるものです。
この規制を受けないヘッジファンドには、高利回りと安定性を追及して様々な運用を行うことができます。(ただし、オフショア籍のヘッジファンドの場合、実質的には公募と仕組上の違いは少なく、ファンド・オブ・ヘッジファンズなどは投資信託として公募で販売されています。)
例えば、ヘッジファンドは、ロング(買い持ち)とショート(売り持ち)の併用で、損失リスクをヘッジ(危険回避)します。
それに対して一般の投資信託は、ロングのみの運用しかできませんので、株価や債券価格が大きく下落した際には、投資家に大きな損失をもたらす恐れがあります。
また、裁定取引やつなぎ売りなどの高度な運用テクニックも、規制に触れる為、一般の投資信託では、用いることができません。
それから、ヘッジファンドの定義として、ヘッジファンドの運用会社が、収益部分から成功報酬を得ています。
これに対して、一般の投資信託の運用会社は、成功報酬を得ることが規制されているなど、収入の多くを運用額に比例して支払われる管理手数料で得ます。
つまり、ヘッジファンドの運用会社は、投資家が利益を得てること得る収入がメインですが、投資信託の運用会社は、投資家の利益とは関係なく、大きな資産を運用してさえいれば、収入を得られるのです。
従って、一般の投資信託の運用会社は残高が集まりやすい分配金が出るファンドなど、運用能力よりも『すぐに利益を確定したい』という投資家心理を利用した投資信託を作る方が儲かるのです。
果たして、どちらが投資家の利益に立脚していると言えるでしょうか?
なお、ほとんどのヘッジファンドを運営する会社、及びファンドマネージャーは、公的機関に登録されています。 従って、ヘッジファンドが、違法な取引を行った際には、投資信託と同様に罰則が適用されます。
また、同じ運用会社が、投資信託とヘッジファンドの、両方を運用することも多々あります。
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